倉敷手織緞通の制作過程

織りの制作過程


もともと倉敷緞通は日本莚業の頃から、気の合った者同士コンビを組んで織ってきました。


●を持つ織り子が3本の踏み木を踏み分けながら(ここから三段織りが生まれます)

差し子が横から水平にヌキを織り込んでいきます。


ドシン!!という音と共に踏み木を踏み

ガシャン!!という音を響かせ差し子がヌキを飛ばす。


お互いのタイミングを確かめながら

息の合った2人でなければ決していい緞通は出来上がりません。

美しい緞通の裏にはダイナミックで大変な織りの作業があります。


織り機

織り機の全体

全体約6メートル、横約2メートルの大きい機械です。

織り

織り子は織り機の正面に立ち、差し子は織り機の横に立ちます。

織り 織り子は足元の三本の木を踏み込み
織り ●の前にある三本の糸を順番に踏み換えていきます。
織り

織り子が足元の踏み木で糸を踏み換えた後

横から差し子がこの部分でヌキと糸を交互に差しこみます。

差し込んだ後、織り子が力いっぱい折込ます。


順番としては

織り子が踏み木で糸を替える→差し子がヌキを入れる→

織り子が●で織る→織り子が踏み木で糸を替える

→差し子が糸を入れる→織り子が●で織るの繰り返しになります。


この過程は技術だけでなく、体力も要する大変なものです。

1時間で休まず織って30~45cm程がやっとという根気のいる仕事です。

1時間織って15分休むというサイクルで冬でも額にびっしり汗をかくほどです。


雨の日は糸が湿気を含み、またイ草がふくらむので

しっかりした地風にならないので雨の日は休み。


何よりこの織りの作業は

祖父母の代の頃は夫婦の仲、今は母と子で織ってますので

お互いの息がとても大事なものとなります。

どちらかの調子が悪かったり、喧嘩をしてしまった日にはあまりいいものができません。